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【遊た~ん】40年続く居酒屋で、大阪のあきないを学んだ、のか?【南森町】

もんさん

昭和感漂う店内でいいですね~。何年目になるんでしょうか?

上垣さん

実は僕、4代目の店主なんですよ。

もんさん

深い話になりそうですね。

上垣さん

深い話になるんよ~(笑)
実はね、僕、ここの常連客やったんですよ。

もんさん

あ、そうなんですね!

上垣さん

そうそう、そん時からこの名前やったんでね。けったいな名前でしょ。で、由来聞いたら、初代オーナーの子供さんのあだ名が「ゆうたん」やったらしいんですわ。それをモジって「遊た~ん」って。

もんさん

「ゆうたん」が「遊た~ん」に……、なります?

上垣さん

僕、4代目なんで、詳しいことは、うん。

もんさん

そうでした。

上垣さん

なんせこのビルが建って40年で、ちょうど40年前から「遊た~ん」でやってるからね。僕がオーナーになってからは丸5年やね。

もんさん

上垣さんはどうゆうきっかけでお客さんからオーナーに?

上垣さん

僕はねぇ、もともと銀行員を12年くらいやってて。その後保険会社に転職して、その後、この西天満五丁目というこのエリアなんですけど、小さな会社をやってるんですよ。

もんさん

今もされてるんですね。

上垣さん

うん。いまは専務を社長にして、僕は会長という事で。そこで社長やってた時に、毎日ここ通ってたんですよ(笑)。10年は通ったかなあ……。んで先代の3代目オーナーが当時70代のご夫婦2人でやってはったんやけど。お父さんの方が喉頭がんで放射線治療受けるからもう店閉めようかいう話になって。僕としては毎日来てた店やから、なくなるのは非常に困るというか寂しいというかみたいな話をしつつ、誰か引き継がんかと探したりもしてたんですけど……。

もんさん

なかなか壮絶な話になってきましたね。

上垣さん

こっからがまたアレなんやけどね……。まあ、なかなかね。飲食って浮き沈みもあるやろうってこともあって、だれも後継者が現れんで、そうこうしてるうちに今度は僕がね、クモ膜下出血で倒れまして、ひと月入院することなったんですよ。で、退院した後、すぐここに来たら、毎日来てた私がひとつき来なかったんで、お母さんには「あんたどうしたんって心配してたんよ」と、「私らはあんたにこの店引き継いでもらうんが一番嬉しんやけどね」みたいな話になって。「そしたらもう縁やしやりましょか」っていう話で引き継いだんが5年前。歴史アリやね。

もんさん

凄いラブコールですね。

上垣さん

僕もまぁ「60ぐらいになったら居酒屋でもしたいな~」という漠然たる夢があって。子供ももう独立してますしね。まあその時はまだ50なったぐらいやったかな。ちょっと早かったけどね。店名も、常連さんも、そのまま引き継がせてもらってます。

もんさん

先代のご主人は……。

上垣さん

ステージ4やったんでね……。分かった時点でもう1年もつか持たへんかいうところやったんで……。天国で喜んでくれてはるとは思うんですけどね。

もんさん

いや~、いい話というかなんというか……。ありがとうございます。元々飲食系の仕事とかは?

上垣さん

銀行員と生命保険の代理店だけですから、全く(笑)。ただし、毎日外食してたんでね。自分やったらこういう感じにしたいなとか、こうすりゃもうちょっといい感じになんのになって、常にまあ、なんて言うかな……。

もんさん

リサーチというか。

上垣さん

ん~。リサーチいうか、まあいずれやってみたいなという漠然たる夢があったんで。その、なんというか、店舗っていうものに対しての関心がない一般客ではなくって。常に店に入ったらここの店ここが良いなとか、ここがいまいちやな~とか、そういう目線でいるようにはしてたかな……。せやからこの店なんかほんまにたぶん40年前からこのままなんで、そこはもうあえて手をかけずにこのままにしてて。ほんまはもうちょっとお洒落にしたいんよ? でも、まあこの昭和レトロ感がまたね~、お客さんにもウケてね。

もんさん

わかります。なんか居心地いいですよね。

上垣さん

そうそう。自分でたこ焼き焼けるし。

もんさん

えっ、めっちゃいい。

上垣さん

元々これは僕が客で来てた頃の、この辺の企業さんが宴会で使わはる時の裏メニューみたいなもんで。僕はそれを横目で見ながら「あれ表に出したら絶対流行るのにな~」って思ってて。

もんさん

ちょっとしたエンターテイメントでええですね。

上垣さん

「たこ焼き焼きながら食べて飲めるとこあるで~」って、お客さん連れてきてくれはったりね。
後はね、お疲れ様セットいうて、串カツ3本と冷奴と枝豆とあと一品と生ビールで980円。こういうのもベタでいいですよね。もちろん串カツは冷凍とかやなくてちゃんと手打ち。

もんさん

あ~、最高ですね。

上垣さん

後はもつ鍋かな。九州醤油使った出汁が美味しくて。みんな中華そばのラーメンで締め。このへんがうちの3本柱。

もんさん

心がけてる事とか、その辺って何かありますかね?

上垣さん

お客さんとのコミュニケーションを大事にしたいって事で、たいがいお客さんに話しかけて、2,3回絶対笑ろて帰ってもらうっていう(笑)

もんさん

大阪やな~。

上垣さん

べらべら喋っても嫌がられるから、あんまりいらんことは喋らずにね。でも、「あんなおもろい居酒屋なかったなー」って帰ってもらいたい。

上垣さん

だから、たいがいリピーターで来てくれはって。近所にビジネスホテルが多いから、北は北海道、南は九州? 「次また来るときに、絶対来ますねー」言うて、ほんまに翌年来てくれはったりとか。後は韓国のお客さんも。2年連続来てくれはったりとかね。意外にグローバル(笑)。

もんさん

すごいなー。

上垣さん

アットホームさというか、「おっちゃんまた来たよー」みたいなノリで。インスタにも全部アップしてるし。なんかそういうのの延長じゃないけど「この店の一番のウリは何?」って聞かれたら、「僕のトークです」って言う(笑)。

もんさん

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上垣さん

これもまあ掴みのネタで。「料理は2番」って言ったら掴みはオッケ―。で、「マスターもともと何しっとたん」って聞かれたら、「僕もともと銀行員ですねん」「そんな訳あるかい」「いやいや、お金の勘定得意ですよ。計算するほど儲かってまへんけどね」。そんな感じで笑ろてもろてます。

もんさん

いや、すごい。尊敬しました。新喜劇や。

上垣さん

「変なおっさんおったなー」いうので印象付けたら、「もっかい行こか」てなるんでね。営業とか商売ってそんなもんです。記憶に残らないと売れることはない。使い古された言葉やけど、商品じゃなくて己を売れ。自分をまず気に入ってもらって、信用してもらえたら、お客さんは着いてきてくれるってのが僕の持論。

もんさん

いやー、これ、本書けますよ。

上垣さん

実はもう書いてるんですよ。

もんさん

えっ、そうなんですか?

上垣さん

『うえがきしんじ物語』現在13巻執筆中。いや、嘘ですけど。

もんさん

(笑)。すごいな、この劇場。

もんさん

いや~、オモロかったな~。最後にこれからの展望を聞かせてもらえますか?

上垣さん

僕はあんまりとにかくお客さんを入れて1円でも多く稼ぎたいって発想はなくて、いいお客さんに愛されて、常連さんで毎日満席っていうのが僕の理想です。お客さんがすごいいいお客さんが多いんですよ。だからそこはありがたいですね。やっぱりいいお客さんが呼んでくれる客さんっていいお客さんなんでね。いいお客さんはいいお客さん呼んできてくれはるんですよ。だから、それでなんとかやらしてもらってる感じかな。

もんさん

本日はありがとうございました。ぜひ、これからも変わらずにいてください!

店舗名酒々菜々 遊た~ん
住所大阪府大阪市北区西天満5-1-9 大和地所南森町ビル B1F
営業時間月~金 17:00~23:00
定休日土日祝日(20名以上で土曜日貸切り営業可能)
URLhttps://youturn.owst.jp/
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