
こんにちは。フランス料理人が提供する焼肉店ということで、お話を伺うのが楽しみです!



よろしくお願いします。





高島さんが料理の世界に入ったきっかけってなんだったんでしょう?



もともと作るのは好きで、テレビとかで見てカッコイイな~と。



学生のときから。



そうですね。料理の道に進もうと思って、辻調理師専門学校に。有名ですし、やっぱり憧れというか、そういう立ち振る舞いをしている中に僕も入れたらいいなっていう。



当時ってそれこそ14~5歳とかですよね。



はい。中学生の時にはもう料理やりたいなって思ってましたね。





すご。卒業後は修行って感じですか?



最初は、恵比寿のジョエル・ロブションですね。



あれ? もともとご出身は?



大阪です。



いきなり東京に。



本気だしてトップレベルからいってやろうと(笑)。いわゆる三ツ星レストランです。



なるほど~。



で、その後は学生時代にアルバイトしてた阿波座のフランス料理屋さんに呼んでもらって。そこは、お客さんとの距離が近かったんです。料理出しながらしゃべれるっていうことに、改めて魅力的だなと気づきました。高級店だと、どうしてもお客さんと関わる機会がなくって。



なるほど。お客さんと関わりたいって思いがあったんですね。



そうですね。飲食店ですので、それはもう、醍醐味というか。





その後は心斎橋のリュミエールというところで、5年、6年くらいいましたね。そこで身を固めようじゃないけど……、ある程度、ここで名前が売れていくんやろうなぁっていう感覚もあって。



料理人としてのキャリアですね。



最終的には4店舗の総括支配人までなりました。料理も兼任しつつ、経営面もちょっと兼任するっていう、そういうポジションになって。



あ~、支配人になると、料理をする時間もなくなってくると?



そうですね。接客がメインになって。でも料理人なので、お客さんとは会話が弾むんですよ。



なるほど。では、ここでやっていく行くんやろなって実感もあってキャリアも順調だったところから、なにか転機があったんですか?



うーん。このままフランス料理をやり続けていても将来像が描けないなって、思っちゃったんですよ。





人生とかの大きな視点で見たときに。



はい。実はもともと、経営者になりたいというのは少しあって。中学生の時ですね。当時の無い頭で考えて、一番簡単に経営者になれそうなのは飲食業界だっていう(笑)。



なるほど~。タイミングが来たって感じだったのかもしれませんね。



そうですね。ただ、前職を退職して独立する予定だったところにコロナがはじまって。その時たまたま、焼肉屋を手伝う機会があって。



あ、繋がってきた。



どうせやったら一緒にやりましょうって言ってくれて。それから1年ぐらい構想して、ようやく開店できたって感じです。





いや~、いろんなきっかけがあるもんですねぇ。でも、フランス料理から焼肉って、素人目線では全く違うというか。大きく土俵が変わりますもんね。



変わりますね。でも実は、だからこそなんですよ。フランス料理の土俵だと、結局、フランス料理のマーケットに縛られてしまう。



あー、あんまり広くはなさそう?



そうなんですよ! フランス料理で働いてる子たちって、ほんとに優秀なんです。ただ、業界的にちょっと待遇がよろしくないというか、正しく評価されてないというか……。だから僕があえて土俵を変えてアプローチすることで、フランス料理にかかわる若い世代の価値を上げていきたいという想いもあったりするんです。



ほ~。フランス料理って高いイメージですけど、あんまり待遇に反映されない感じなんですか?どういうからくり?



仕込み時間が長いんですよねぇ。それに、人の流れが圧倒的に違います。フランス料理って一日10人くらいしか来ない。



それだけマーケットが狭いってことか。



日本人に浸透してないっていうのは認めざるをえないと思います。外食しようってなって、寿司、天ぷら、焼肉っていうのは候補にあがってくるでしょうけど、フランス料理っていう人いないですよね。



確かに、フランス料理は特別な日のイメージ。



そうなんですよ。普段遣いじゃないので、リピートしていただけても1年後とか2年後とか。そりゃあ経営的にはしんどいですよね。



もっとフランス料理が一般的なものになったら変わってくるのかもしれないと。



はい。焼肉と掛け合わせてじゃないですけど、そうやってでも、知ってもらえる機会を増やしていけたらなとは思ってるところで。フランス料理出身の人間が焼肉屋やって流行りました。美味しいです。でも、ほんまのフランス料理ってもっとおいしいんだよって、いずれは言えるようになりたいな。



フランス料理に対する想いは今も持ってはる。



もちろんです!





大阪のいろんなとこあるとこで、なぜ、天満界隈になったんですか?



もともと、天満って場所が面白くって、好きな街やったんですね。中心街になるとちょっと、層が若すぎるっていうか。その中で一本外れるとこういうところもあるんですよっていう。まぁ、色んな方に来ていただきたいってことで。実は価格帯もチェーン店なんかとそんなに変わらないんですよ。でもめちゃくちゃ美味しいお肉使ってます。



高級感めっちゃあります!





僕が厳選してます!



目利きができはるってことですね。



そうです。うちは一頭飼いはしてなくって。その牛の良いところだけしか取らないようにしてるんです。一頭飼いをしてしまうと、別に良くない部分もついてきちゃうんです。



といいますと?



ウデ肉はめっちゃ良いけど、モモはちょっと微妙みたいなことがあるんですよ。僕は良いところしか仕入れません。



部分買いすると、高くなったりしそうですが……。





ブロックで買って、全部、僕がバラすのでコストが抑えられるんですよ。全部小分けして真空パックにされたものを店で切るだけ、みたいなことじゃなくって、ブロックを自分で処理する。フランス料理の知識があるので、食材を良い状態で常に保つことも出来る。だからロスは出ないし。



フランス料理の経験が生きてるわけですね。



そうですね。牛はあんまりばらしたことはなかったですけど、猪とかとまぁ、ある程度は一緒なんで、鶏をさばければ、あとはさばけるっていう。料理の根源はフランス料理に通じてるんですよ。



めっちゃかっこいいこと言ってはります。





料理の根源はフランス料理にあると思ってるんですよ。料理を学びたい方はフランス料理にいけば良いと思います。



フランス料理の調理技術があるからこそなせる業が強みですね。おすすめのメニューってありますか?



そうですね。お肉の質は一番こだわってるところですが、大阪市で数件しかない生食用の許可を取ってるので、生で肉を食べていただけます。うちに来たらぜひ生を食べてみてください。





あっ、ユッケもある。本当の生肉なんて聞いたことない。でも、でも凄いリーズナブル。



本物の味をいろんな人に知ってもらいたいっていう思いで。





この仕事されてて、一番たのしい瞬間ってどんなときですか?



一回来てくれたお客さんがまた来てくれるっていうのは嬉しいですね。早い人は次の日に来てくれる(笑)。



病みつきに。



すごい嬉しいですよね。人に携わる部分も大事にしたいし。美味しいものを食べてもらう喜びもあるし。



でもま、食の世界を広げてみませんかっていう提案をしていきたいなと。



わ~、年齢でものを言ってはいけないですけど、29歳にしてここまでの想いを持ってはるっていうのは、カッコイイですね。



いやいや。若造ですよ、ほんまに。



そんなことはないですよ。おみそれしました!
店舗名 | 焼肉たかしま |
住所 | 大阪府大阪市北区菅栄町10-4 |
営業時間 | 17:00~24:00 |
定休日 | 不定休 |
URL | https://www.instagram.com/takashima1107/ |